ヌルイ雨あめ 傘かさはいらぬ
宵よいは更ふけゆき 傷跡きずあとが疼うずく
霧雲運きりぐもはこぶ 仄白ほのじろい香かおりは
乱世らんせに咲さいた 狂くるおしい華はな

蘭あららぎよ 無明むみょうの暗闇くらやみも
軋きしむ傷抱きずだいて 切きり裂さいて行ゆくのさ
決けして振ふり向むかず 浅あさましい泪なみだも
刃やいばに籠こめて
いざ 闘たたかいの時刻とき

びしょ濡ぬれの 羽織纏はおりまとって
未知みちなる場所ばしょへ 言葉ことばはもうイラナイ
護まもりたいもの あなたとの記憶きおく
一時ひとときでも 薄うすれぬように

蘭あららぎよ 無明むみょうの泡沫うたかたに
交かわした契ちぎりを 認みとめて欲ほしいと
たとえ過あやまちと呼よばれても構かまわぬ
魂こころの声こえは
響ひびき続つづける念おもい

生なまヌルイ風かぜ 示唆しさする方ほうへと
今いまやらずにいつ出来できるものか

蘭あららぎよ 無明むみょうの暗闇くらやみも
軋きしむ傷抱きずだいて 切きり裂さいて行ゆくだけ
そして振ふり向むかず
自責じせきの泪なみだもあなたの為ために
いざ 闘たたかいの刻限とき