何処どこかの髭ひげの生はやしたオジさんが
町まちで配くばってた命いのちのライセンス
「必要ひつような条件じょうけんも身分みぶんもございません。」
「でも、僕ぼくお金かねもあまり持もってません。」

「そんな事こと気きにしないで」とオジさんは、
僕ぼくに渡わたした1冊さつのパンフレット
帰かえり道みち風かぜに飛とばされない様ように
誰だれにも見みられない様ように読よみました。

いつでも僕ぼくらは
自分事じぶんごとの様ようで他人事ひとごと
僕ぼくだけは関係かんけいないと
何処どこかで願ねがってる

誰だれが決きめて
誰だれに決きめられて
僕ぼくは生いきてるんだろうか?
誰だれも知しらない
誰だれも知しりたくない
それでも生いきてゆくんだろうな

白しろくて地味じみな冊子さっしを開ひらくと…。
「誰だれにでも取とれる命いのちのライセンス」
「必要ひつような条件じょうけんも身分みぶんもございません。」
「選えらび放題ほうだいで、制限せいげんもございません。」

良よい車くるま、良よい女おんな、美味おいしいご飯はんや、
豪華ごうかな部屋へや夢ゆめが膨ふくらむ無限むげんのチョイス!
その時とき、目めを凝こらすと下したの方ほうに小ちいさな文字もじで…。
*ものによっては、お金かねがかかります。

いつでも僕ぼくらは
自分事じぶんごとになると急きゅうに慌あわてる
自分じぶんだけは特別とくべつと
何処どこかで祈いのってる

生うまれる前まえから決きまってた?
生うまれた時ときに決きまったのか?
生いきてくうちに見みつかるか?
実じつは自分じぶん次第しだいだったりするのかな

誰だれが決きめて
誰だれに決きめられて
僕ぼくは生いきてるんだろうか?
誰だれも知しらない
誰だれも知しりたくない
それでも生いきてゆくんだろうな