雪子ゆきこ…泣ないてひとり
港みなとの日暮ひぐれに誰だれを待まつ
恋こいに泣ないて ひとり
なみだで帰かえりの船ふねを待まつ
夢ゆめを追おいかけ
この海越うみこえて
あなた旅路たびじの
どのあたり
椿つばきの咲さく頃ころ
私わたしをやさしく抱だいたのに
ああ…
逢あいたいよ
ああ…
逢あいたいね

雪子ゆきこ…夜よるの窓まどに
うつして小指こゆびで
口紅べにをさす
吐息いきで曇くもる 窓まどに
ふたりの名前なまえを
そっと書かく
女おんなざかりを
ひとりにさせて
あなた旅路たびじの
どのあたり
便たよりも とだえて
私わたしの心こころは雪化粧ゆきげしょう
ああ…
逢あいたいよ
ああ…
逢あいたいね

雪子ゆきこ…酔よって今日きょうも
淋さみしい心こころをまぎらせる
眠ねむれなくて 今日きょうも
想おもい出でまくらを
抱だきしめる
めぐる暦こよみは
もう春はるなのに
あなた旅路たびじの
どのあたり
倖しあわせ知しらずに
私わたしはいくつに
なったのか
ああ…
逢あいたいよ
ああ…
逢あいたいね