煙草たばこのけむりの中なかに
かくれて見みえない
あなたはどんな顔かおで
私わたしを見みてるの?
初はじめて会あった時ときも
あなたは煙草たばこを
くわえそして云いった
火ひをかしてください
ぼくの暗くらい心こころに
火ひを灯ともしてください
あなたの赤あかいマッチで
煙草たばこのけむりの中なかで
あなたは笑わらって
どうして君きみは
そんなにいい人ひとなんだと
何なにも話はなしてはいない
何なにも見みえやしないのに
何故なぜわかるの?
火ひをかしてくれたよ
ぼくの暗くらい心こころに
火ひを灯ともしてくれたよ
あなたの赤あかいマッチで

でも私わたしには何なにも見みえない
あなたの顔かおが見みたい
煙草たばこを吸すわないで
煙草たばこのけむりは
いつか消きえてしまって
あなたもいつのまにか
いなくなっていた
何故なぜだかわからない
あれから口くちぐせに
なってしまった
火ひをかしてください
ぼくの暗くらい心こころに
火ひを灯ともしてください
あなたの赤あかいマッチで