銀河ぎんがを見上みあげる冬ふゆの小径こみち
色いろとりどり擦すれ違ちがう
ダウン・ジャケット
ボートを漕こぎ出だす波なみの上うえに
洗あらった様ような月つきが光ひかるね
ああ 夢ゆめが夢ゆめなら
それでも構かまわない
萠もえ立たつ霧きりと
蜜みつの流ながれる波なみを
たゆたう姿すがた
口笛くちぶえを吹ふこう 今いまは４月しがつ
市場いちばを通とおり目めを閉とじてみる
掠かすめる気持きもちは
ツバメのように
４月しがつの空そらはダイヤモンド

岸辺きしべに立たつ緑若みどりわかく５月ごがつ
電車でんしゃのガラスは
涼すずしげなスクリーン
真まっ白しろに嵩張かさばる雲くもの流ながれ
映うつし川かわを越こえてく私鉄してつ
七夕たなばたを越こえて
幾いくつも night&day
波なみが寄よせては返かえす夕暮ゆうぐれ
花はなやかな
夏なつの酔よいに まかせて
いっそ華火はなびでも行いきたいね
ああ 夢ゆめが夢ゆめなら
それでも構かまわない
萠もえ立たつ霧きりと
蜜みつの流ながれる波なみを
たゆたう姿すがた
嵐あらしのあとに散ちらばる楓かえで
踏ふみよけながら駅えきまで急いそぐ
坂道さかみちを下くだり降おりてすぐに
汗あせをかいた額打ひたいうつ風かぜ
夏なつから秋あきへと空そらは高たかく
はっきりと今いま 僕ぼくには判わかる
僕ぼくはあなたに逢あえたことを
ずっと幸しあわせに思おもうはず
ああ 君きみが居いた頃ころのことを
思おもわない
僕ぼくは一人ひとりで生いきることを
学まなぶさと思おもいながら
霜しもの降おりた朝街あさまちを歩あるく
格好かっこつけずにいようと
ちょっと思おもう
木洩こもれ陽びが織おりを返かえす小径こみち
その先さきに僅わずかに見みえるね
ああ 夢ゆめの彼岸ひがんまで高たかく
架かかる橋はし
萠もえ立たつ霧きりと
蜜みつの流ながれる波なみを
たゆたう姿すがた
クリスマスが近ちかづく場所ばしょで
元気げんきに挨拶あいさつを交かわしたい
爽さわやかな
冬ふゆの酔よいに まかせて
力強ちからづよく時ときに悲かなしく
緩ゆるやかな円えんを描えがくように
僕ぼくらの息いき・吐息交差といきこうさする
手てをのばし
それをそっと握にぎり
誰だれかと舟ふねを進すすめてゆく
対岸たいがんの灯あかり眺ながめながら
往ゆきつ戻もどりつ往ゆく夜舟よぶねを