文字サイズ
よみがな
下駄げたをならしてやつがくる
こしぬぐい ぶらさげて
学生服がくせいふくにしみこんだ
おとこにおいが やってくる
アーゆめよ よきとも
おまえ今頃いまごろどのそらした
おれとおんなじ
あのほしみつめて何想なにおも
可愛かわいあの
こえかけられて
ほおをそめてた うぶなやつ
かたかせば下宿屋げしゅくや
おばさん
酒持さけもってやってくる
アーこいよ よきとも
おれいまでも
このまちんで
女房にょうぼ子供こども
きながらも
きている
おとこらしさとひと
おまえのかおかぶ
ちからずくだといながら
女郎屋通じょろやがよいを自慢じまんする
アーゆめよ よきとも
ときながれを
うらむじゃないぞ
おとこらしいは
やさしいことだと
ってくれ
家庭教師かていきょうしのガラじゃない
かねのためだといながら
子供相手こどもあいてひとみち
人生じんせいなどをおとこ
アーゆめよ よきとも
便たよりしたため
さがしてみたけど
暑中見舞しょちゅうみまい
かえってきたのは あきだった

ふる時代じだいひと
いまむかしおれ
バンカラなどと口走くちばし
ふる言葉ことばくやみつつ
アーともと よきさけ
ときうれいて
みあかしたい
いまむかしもこのさけつげば
心地ここちよし
学生達がくせいたちとおりゆく
あいつほどでは ないにしろ
まじめなのさと
いたげに
かた風切かぜきってんでゆく
アーともよ よきやつ
いまらしに
あきたら二人ふたり
ゆめをかかえて
たびでもしないか あのころ