黄砂こうさに吹ふかれて
きこえる歌うたは
忘わすれたくて忘わすれた
なくしたくてなくした
つらい恋こいの歌うた
眠ねむりを破やぶって
きこえる歌うたは
わかってるつもりの
紛まぎらせてるつもりの
ひとつだけの歌うた
もう蜃気楼しんきろう
なのかもしれない
片思かたおもいかもしれない
あなたに似にてる人ひとも
いるのに
あなたより
やさしい男おとこも
砂すなの数かずよりいるのにね
旅人たびびと
黄砂こうさに吹ふかれて
さまよう旅たびは
地下ちかを深ふかく流ながれる
澄すんだ水みずに似にている
終おわりのない旅たび
微笑ほほえみずくで
終おわらせた恋こいが
夢ゆめの中悲鳴なかひめいあげる
あなたに似にてる人ひとも
いるのに
あなたより
やさしい男おとこも
砂すなの数かずよりいるのにね
旅人たびびと

「うそつき」「うそつき」
「うそつき」
こみあげる
（答こたえて）
もらえばよかったのに
きくのが恐こわかった名前なまえ
私わたしじゃない
名前なまえだもの
笑顔えがおで終おわったあの日ひから
旅人たびびと