「キミノメヲ」の歌詞 そらる

君きみが聴きいた音おとを一ひとつ一ひとつかき集あつめてく
音自体おとじたいは正直しょうじき、耳障みみざわりでたまらないんだ

昨日きのうからかき鳴ならしていたギターはちょっと弾ひけなくて
君きみに借かりたCDの音おとを真似まねてたんだ

それでもやっぱり解わからない様ように
閉とじ込こめちゃいられないよ
溢あふれ出だしそうになるコードから
他人ひとの匂におい漏もれ出だして

「あぁ、また同おなじような雰囲気ふんいきの曲きょくになったな」

他ほかでもない、「君きみの目め」を気きにし続つづけて作つくった歌うた
だからこの曲きょくは君きみのその「好すきなアーティスト」に
よく似にているだろ?
「捻ひねりが無ない」「魅力みりょくが無ない」
どうぞ罵ののしってくれても構かまわない

それでもいい
今いまは、ただ
君きみの目めをこちらに向むけておきたくて

不思議ふしぎとこの歌うたが
やけに流行はやり始はじめてて

僕ぼくのセンスもまだまだ
捨すてたもんじゃないみたいだ

人伝ひとづて、興味心きょうみしんが溢あふる様さまを眺ながめて
僕ぼくはなんだか王様おうさまになった様ような気分きぶんで

それでもさ、それ以外いがいなんて
もう偽物にせものにしちゃう様ような

イカしたナンバーはどうやら
僕ぼくの中なかにはいなくて
さぁ、なんか同おなじような
曲きょくを今日きょうも弾ひいちゃおうかな

誰だれでもない人ひとの目めを気きにし続つづけて作つくった歌うた
種たねと仕掛しかけでさ君きみのその
好すきなコードをただ鳴なり響ひびかせて

「あれでもない」「これでもない」
比較対象ひかくたいしょうならもう数かぞえ切きれなくて

耐たえられない蹲うずくまる
君きみがもうどこに居いるのかもわからないよ

期待きたいしていた
正直自分以外しょうじきじぶんいがいじゃどうにも
ならなさそうな事ことも在あるんじゃないかな?

そんなことは何一なにひとつも無なかったけど
気きにしてたんだよ

他ほかでもない
この曲きょくは
「僕自身ぼくじしん」を掻かき毟むしった歌うた

捻ひねりもない
魅力みりょくもない
下手へたなコードをただ繰くり返かえしてさ

ひたすらに目めを瞑つむり
叫さけぶように思おもい出だしていた
「なんか素敵すてきだね」

君きみの声こえ
聞きこえたような気きがして