「モラルの葬式 -revival-」の歌詞 アンジェラ・アキ

フクロウの鳴なき声ごえは「死し」の警報けいほうで
闇やみが傷口きずぐちを開ひらいて満月まんげつを出だす
信者しんじゃから不信心者ふしんじんしゃ 神父達しんぷたちまで
喪服もふくを着きて風かぜの声こえに耳みみをすました

今宵こよいはモラルの葬式そうしきだ
Pater Noster

流ながれ星ぼしは空そらの涙なみだ 樹々きぎの嗚咽おえつが森もりに響ひびく
湖みずうみは悲哀ひあいを 水面みなもを渡わたる風かぜに伝つたえ
その風かぜが皆みなを葬儀場そうぎばへ呼よんだ

今宵こよいはモラルの葬式そうしきだ

前まえの方ほうに愛あいが座すわり その隣となりには
哲学てつがくがタバコをくわえ思おもいにふける
プライドと献身けんしんはその真後まうしろで
やけに深刻しんこくな顔かおをして話はなし込こんでいる

誰だれもが動揺どうようを隠かくせない
Pater Noster

知恵ちえに手てを引ひかれたまだ幼おさない無垢むくが
棺ひつぎの中なかに白しろいバラを投なげ込こむと
理性りせいが席せきを立たって 黒くろいベールをまくり
式しきの最後さいごに皆みなの前まえでゆっくりと語かたり始はじめた

「息子むすことの突然とつぜんの別わかれに私わたしは今いま 心こころを乱みだしている
凛りんとした彼かれの声こえ まっすぐなまなざしをいつまでも忘わすれない

今いまでもきっと灯台とうだいの様ように私達わたしたちを照てらしている
迷まよった時とき、はぐれた時とき、道みちが見みえない時とき
善ぜんと悪あくの節目ふしめにそっと あなたの心こころに 彼かれは生いき続つづける」
Pater Noster

同情どうじょうが激はげしくうなずき 拍手はくしゅが沸わき
真実しんじつが理性りせいの耳元みみもとで言いった
「私わたしも息子むすこがいたの 希望きぼうがいなくなっても彼かれは今いまでも皆みな
の中なかで生いきている」

フクロウが鳴なき止やんで飛とび立たった頃ころ
朝あさもやをかきわけながら太陽たいようが出でた