「レクイエム」の歌詞 アンジェラ・アキ

(第一楽章)

最後さいごに見みたのは対向車線たいこうしゃせんの 眩まぶしい二ふたつのヘッドライト
激はげしく雨あめの降ふる夜よるこうして 私わたしは呆気あっけなく命いのちを落おとした

名前なまえを呼よばれて目めを覚さましたら 聞きいた事こともない優やさしい声こえが
「目めの前まえの赤あかい扉とびらを開ひらいて こちら側がわへ来きなさい」と言いった

「別わかれを告つげたい人ひとがいるから 少すこし時間じかんをもらえませんか?」

すると「それでは一晩ひとばんだけ待まつ事ことに致いたしましょう
この扉とびら 明日朝あすあさに永遠えいえんに閉とじるから 気きをつけなさい」

必かならず戻もどると約束やくそくしたら 壊こわれた時計とけいが動うごき出だした

(第二楽章)

夜よるの静寂しじまを 破やぶって私わたしは 地上ちじょうへ舞まい降おりた
朝あさが来くる前まえに 別わかれを告つげに あなたの元もとへと
「会あいに行いこう」

懐なつかしい風景ふうけい 育そだててくれた 故郷こきょうに戻もどったら
母ははが静しずかにロウソクに火ひを灯ともし 祈いのっていた
「母かあさん ただいま」

Mother goodbye
死しぬ事ことを受うけ入いれてやっと見みつけた真実しんじつがある
今いままで当あたり前過まえすぎて伝つたえた事ことがなかった
あなたに一度いちども言いえなかった 言葉ことばにできなかった
私わたしを愛あいしてくれてありがとう 本当ほんとうにありがとう
「母かあさん 元気げんきでね」

朝あさが来くる前まえに 別わかれを告つげに あなたの元もとへと
海辺うみべで一人ひとり 月つきを見みながら 涙なみだを流ながしていた
「恋人こいびとよ」

My love goodbye
死しぬ事ことを受うけ入いれてやっと見みつけた真実しんじつがある
今いままで当あたり前過まえすぎて伝つたえた事ことがなかった
あなたに上手じょうずに言いえなかった 出会であえて幸しあわせだった
私わたしを愛あいしてくれてありがとう 本当ほんとうにありがとう
「恋人こいびとよ さようなら」

生いきている時ときに 言いえば良よかった

(第三楽章)

aeternam habeas requiem

永遠の安息を得られますように

(第四楽章)

人生じんせいの旅たびはこれで終おわった 赤あかい扉とびらをついに押おし開あけた
そこには巨大きょだいな銀色ぎんいろの船ふねが 永遠えいえんをのせて私わたしを待まっていた