「蛍星」の歌詞 元ちとせ

傾かたむいた影かげの向むこう 夕映ゆうばえに赤あかく染そまる笑顔えがお
夏なつの陽ひで枯かれた心こころ そっと潤うるおしていく

"ただいま"と"おかえり"が 今日きょうもまた優やさしく手てをつなぐ
出迎でむかえるヒグラシは言いう 帰還かえる場所ばしょは、ここ

誇ほこれること 何なにもないけど
目めに映うつるのは 失なくしたくないもの

手てを広ひろげたら 欲張よくばるだけで
いらないものまでも掴つかむ
両手りょうてですくう それくらいでいい
小ちいさく光ひかるもの 逃のがさずに 落おとさずに
蛍星ほたるぼし

見上みあげれば宵よいの空そら 肩かたを寄よせ温ぬくもりが瞬またたく
耳みみすませば聴きこえてくる 懐なつかしい歌声うたごえ

例たとえ淡あわく 眩まぶしくはなくとも
確たしかに強つよく生命いのちを照てらしている

数かぞえ切きれない 満天まんてんの明あかり
見みえない所ところからも降ふる
君きみとの距離きょりがはるか何光年なんこうねん
離はなれていたとしても 手てのひらの 上うえにほら
蛍星ほたるぼし

手てを広ひろげたら 欲張よくばるだけで
いらないものまでも掴つかむ
両手りょうてですくう それくらいでいい
小ちいさく光ひかるもの


数かぞえ切きれない 満天まんてんの明あかり
今日きょうも誰だれかがまた灯ともす
明日あしたもここに 帰還かえれるようにと
小ちいさく光ひかるもの 壊こわさずに 抱かかえていく
蛍星ほたるぼし