「地図にない場所」の歌詞 入野自由

旅鳥たびどりは言いった
「そこを行ゆく人ひとよ 右みぎの道みちか? 左ひだりか? お好すきな道みちをどうぞ」
「右みぎは未来みらいの 左ひだりは理想りそうの 君自身きみじしんと 一度いちどだけ 話はなしができるのさ」

僕ぼくは尋たずねた 別べつの道みちはどこかと 申もうし訳わけないけど 遠慮えんりょしたいな

手探てさぐりで 駆かけ回まわって 辿たどり着つきたいから
明日あしたより 大切たいせつなのは 今いま
イバラだって ケモノだって ジグザグの道みちだって
自分じぶんで決きめた 答こたえだから

旅鳥たびどりは訊きいた
機嫌きげんを損そこねて「わからないな 明日あしたを 知しりたくないのか」と
「先さきに知しってれば 下手へたな失敗しっぱいをしないで済すむ それってさ いいことじゃないかな」

僕ぼくは答こたえた 確たしかに便利べんりさ でも 知しらないからできることがあるんだ

地図ちずを持もって 近道ちかみちで 思おもい通どおり行いくのは
賢かしこくて 気持きもちいいことだけど
ぶち当あたって 行いき詰づまって それでも進すすむ方ほうが
自分じぶんらしいと 思おもえるから

鳥とりは飛とんで行いった 最後さいごに落おとした羽根はね 僕ぼくはそれをペンに 夢ゆめを描えがこう

手探てさぐりで 駆かけ回まわって 辿たどり着ついた場所ばしょが
理想りそうより 下回したまわったとしても
旅たびはきっと 終おわらないさ 自分じぶんの目指めざすものは
その場所ばしょからも 描えがけるから