「声だけ聞かせて」の歌詞 松田聖子

今日きょうも穏おだやかに 一日いちにちが終おわる
そんな暮くらしを 愛あいしているのに
眠ねむりぎわふいに 浮うかんだ面影おもかげ
まるで 忘わすれ物もののように
もう捨すててしまったはずの 過去かこに住すむあなた
なぜ今いまさら 気きになるのかしら
ナンバー変かえずにいるなら 電話でんわしてみるわ
ただ 声こえだけ聞きかせて

「もしもし、私わたし…。元気げんきだった?」

言葉ことばなくすほど 懐なつかしい響ひびき
急きゅうに涙なみだがこぼれそうになる
恋こいしい気持きもちを 隠かくした二人ふたりの
長ながい沈黙ちんもくがせつない
記憶きおくを遡さかのぼりながら 胸むねは高鳴たかなるの
引ひき返かえすのなら 今いまのうちよ
退屈たいくつまぎらわすための 気きまぐれだからと
自分じぶんに嘘うそついている

二度にどとは戻もどれない場所ばしょへ ほんのひと夜よだけ
旅たびした心こころが まだ痛いたむわ
“いつか またね”と囁ささやいた あの人ひとの声こえを
雨音あまおとが消けしてゆく