「月面軟着陸」の歌詞 栗山千明

どうして理由りゆうを知しりたい? 生うまれてきたことさえ
未来みらいが集あつめるデータのサンプルになりたくないわ
ほら、名前なまえも知しらずに 初はじめてキスをした時とき
たった1いっセンチだけど無重力むじゅうりょく

この世界せかいは、子供こどもの頃ころ「近未来きんみらい」だなんて呼よばれていた
わたしには、錆さびたグロテスクなこの街まちのいつもの夕焼ゆうやけ

明日あした このくちびるは誰だれと繋つながるだろう?
予言よげんした、恋こいをした、月面げつめんへのびていく首都高しゅとこう
明日あした この花はなびらはどんな色いろひらくだろう?
わたしを追おい越こした風かぜは透明とうめいな紅くれない

どうして抱だきしめるのかな? こころを送受信そうじゅしんする
無言むごんの周波数しゅうはすうが聴きこえた

この世界せかいの命いのちたちは生うまれて消きえることを繰くり返かえす
「永遠えいえん」って、光ひかるメタリックなものなんかじゃない 気きづいたの

明日あした この瞳ひとみには何なにが映うつるのだろう?
あたらしいバイブルの1いちページ目めをめくっただけ
明日あした この花はなびらにどんな雨あめが降ふるだろう?
わたしを濡ぬらした絹きぬのような細ほそいムーングロウ

ムーンチャイルド 身体からだに散ちらばる ムーンチャイルド わたしの破片はへんを
ムーンチャイルド 拾ひろい集あつめてよ ムーンチャイルド ムーンチャイルド

明日あした このくちびるは誰だれと繋つながるだろう?
予言よげんした、恋こいをした、月面げつめんへのびていく首都高しゅとこう
明日あした この花はなびらはどんな色いろひらくだろう?
わたしを追おい越こした風かぜは透明とうめいな紅くれない