「どん底のブルース」の歌詞 桑田佳祐

僕ぼくは学校ガッコで泣なかされた
寄よってたかってシカトされ
先生センセの前まえでもイジメを受うけていた
よくある話はなしと他人ひとは言いう
事実じじつと違ちがうと笑わらわれる
弱よわき立場たちばの叫さけびが聴きこえるか?

嗚呼ああ ひとりぼっちの路地裏ろじうらで
涙なみだを拭ふきながら
生いきてこれたのは
夕焼ゆうやけ空ぞらがあったから

嗚呼ああ 人間にんげんなんて嫌いやだ
歌うたおうどん底ぞこのブルース
嗚呼ああ 人生じんせいなんてショーだ
君きみに語かたろう

もう人間にんげんなんて嫌いやだ
踊おどろう暗黒あんこくのステージ
あてなどなく今日きょうも行ゆく

いつもドンパチやる前まえに
聖書せいしょに手てを置おく大統領ひとがいる
神かみの名なにおき正義せいぎに酔よいしれて
隣となりのあの娘こが輪姦まわされて
綺麗きれいなサンゴが汚けがれても
戦争いくさに赴おもむく基地ベースは安保まもられる

嗚呼ああ みんな見みて見みぬフリをして
本当ほんとうは知しっている
この平和へいわの裏うらに
愚おろかな過去かこがあったのを

嗚呼ああ 人間にんげんなんて嫌いやだ
歌うたおうどん底ぞこのブルース
嗚呼ああ 人生じんせいなんてショーだ
誰だれに捧ささごう

もう人間にんげんなんて嫌いやだ
笑わらおう奈落ならくの底そこで
愚痴肴ぐちさかなに今日きょうも飲のもう

街まちの裏手うらてにゃ汚泥どろの河川かわ
ビルの谷間たにまにゃゴミの山やま
"都会とかいのオアシス"の外そとは"灼熱しゃくねつの島しま"
どうせ死しぬのさこの俺おれも
現在いまが良よければそれでいい
他人ひとや地球ちきゅうがどうなろうと構かまわない

嗚呼ああ コンクリートで塞ふさがれた
故郷こきょうも泣ないている
鋼鉄はがねの斧おのを持もって
政治家おやじが森林もりをブッタ斬ぎっている

嗚呼ああ 人間にんげんなんて嫌いやだ
歌うたおうどん底ぞこのブルース
嗚呼人生ああじんせいなんてショーだ
君きみに語かたろう

もう人間にんげんなんて嫌いやだ
踊おどろう暗黒あんこくのステージ
それでも陽ひは今日きょうも昇のぼる