「キングストンの街」の歌詞 森山良子

いつもあなたは 渋谷しぶやの街まちを
肩かたで風切かぜきり 歩あるいて来きたわ
白しろい「ジロー」は 公園通こうえんどおり
学生がくせいたちが 待まち合あわせてた

ウエスト・サイド物語ものがたりって
あなたは今いまも 覚おぼえてますか
映画真似えいがまねして 踊おどってみせて
二人ふたりで「トゥナイト」 歌うたいましたね

ひとり日暮ひぐれの 公園通こうえんどおり
ふとあなたが 見みえるようです
あれから何年なんねん たったのか
今いまより髪かみの毛けも 長ながい頃ころ

ビルの日翳ひかげの 緑みどりの空あき地ち
白しろい水仙すいせん 風かぜに揺ゆれてる
都会とかいの隅すみで 咲さくいじらしさ
あの日ひの恋こいに 良よく似にてますね

キングストン・トリオ あなたと聞きいて
縦縞たてじまのシャツ おそろいで着きたわ
スリー・フィンガーの ギター教おそわり
ふれあう指ゆびが 恥はずかしかった

ひとり日暮ひぐれの 公園通こうえんどおり
ふとあなたが 見みえるようです
あれから手紙てがみも よこさない
もう一度何処いちどどこかで 逢あいたいわ

ひとり日暮ひぐれの 公園通こうえんどおり
ふとあなたが 見みえるようです
あれから「ジロー」も 行いきません
草原そうげんの歌うたさえ 聞きこえない