「凡才肌」の歌詞 椎名林檎

空そらよ山やまよ川かわよ故郷ふるさとの海うみよ
わたしを還かえしてくれ
生せいを受うけた歓よろこび哀かなしみ骨身ほねみに浴あびせて
生いきて死しにたい

お腹なかが空すいて考かんがえる
さあ何なにを犠牲ぎせいに満みたそう
喉のどが渇かわいて考かんがえる
さあ誰だれに恵めぐんでもらおう
どうにも差さし出だせる品しなが無ない
あなたもそうでしょ?嗚呼ああ!
労働ろうどうするたび空虚くうきょが付つきき纏まとう
これも同おなじです
等閑なおざりだよ
そうあなたもわたしも空あいてる穴あなを求もとめては
今日きょうを彷徨さまよう

淋さびしくなって考かんがえる
さあ何処どこを理性りせいに任まかそう
夢ゆめが乾かわいて考かんがえる
さあ如何いかがに凌しのいで癒いやそう
どうにもラクをする技わざが無ない
あなたもそうでしょ?嗚呼ああ!
賞讃しょうさんはヒトを孤独こどくへ追おい払はらう
殺ころし文句もんくは嫌きらい
安直あんちょくだよ
そうあなたとわたしが異ことなる偏旁つくりと云いうのは
とんだ間違まちがい
天才等てんさいなどという言葉ことばが突つき放はなす
素知そしらぬ顔かおして
冒涜ぼうとくだよ
そうあなたとわたしの何方いずかたが変かわり果はてたかを
問とい質ただしたい