「手紙」の歌詞 泉沙世子

「引ひき裂さくなら殺ころしてしまおう」
紡つむぐ文字もじが滲にじんだ
揺ゆれる水面すいめんが輝ひかる夕陽ゆうひを
そっと沈しずめていった

暗くらい空そらに覆おおわれて
何なにも見みえなくても
あなたがいるなら
生いきてゆく意味いみになる

生なまぬるく伝つたって確たしかめ合あう
濡ぬれた手てを重かさねた愛あいの形かたち
引ひき裂さかれるならば何度なんどだって
刃やばいを持もってあなたを守まもる
怖こわいものなどない

もっときつく固かたく縛しばって
決けっしてちぎれないように
頬ほほを撫なでた緩ゆるい夜風よかぜが
そっと涙なみだを揺ゆらす

探さぐるよう少すこしずつ
あなたの手てをひいた
ボロボロの心こころ
壊こわさぬように抱だきしめた

果はてしない闇やみから救すくい出だして
疼うずく傷きずを舐なめて塞ふさぎましょう
失うしなえば全すべてが消きえるのなら
絶望ぜつぼうよりも罪つみを選えらんで
あなたを守まもりたい

あなた以外いがいなど何なにも欲ほしくない
ただひとつの愛あいを
声こえの限かぎり叫さけび求もとめてた

抱だきしめたい守まもりたい
たったひとり
落おちる涙全なみだすべて受うけ止とめるよ
儚はかなくて小ちいさな子供こどものよう
もう泣なかないで
疲つかれ果はてたら
この胸むねでおやすみ