「雪の降る街」の歌詞 甲斐名都

最後さいごの景色けしきは 閉しまる扉ドアの向むこう うつむいたまま
遠とおざかる君きみ

初はじめて会あった日ひを思おもい出だすよ
マフラーに顔隠かおかくす 白しろい天使てんし
離はなれてく列車れっしゃ 幻まぼろしのよう
手ての中なかに 渡わたしそびれた缶かんコーヒー

雪ゆきの降ふる街まちを 雪ゆきの降ふる街まちを 思おもい出でだけが通とおり過すぎてゆく
僕ぼくは歩あるき出だせず 君きみをまだ見送みおくってる

1日いちにちの終おわり
からっぽのポスト 風かぜに揺ゆられて 季節きせつは巡めぐる

深ふかく埋うもれた赤あかい箱はこの中なか
いまだ君きみからの便たよりはない
ワガママでみんな困こまらせてないかい?
なんて 一人ひとりつぶやいてみても

雪ゆきの降ふる街まちは 雪ゆきの降ふる街まちは 思おもい出でだけを積つもらせてゆく
僕ぼくは相変あいかわらず 君きみをただ探さがしてる

消きえた街まちの灯ひ 雪明ゆきあかりでキスをした
シアワセなはずが ほんとうはすごく怖こわかった
君きみはなぜだか 今いまにも消きえてしまいそうで

雪ゆきの降ふる街まちを 雪ゆきの降ふる街まちを 思おもい出でだけが通とおり過すぎてゆく
僕ぼくはまだここにいて
来くるはずのない君きみを 待まっている 待まっている