「メトロ・フィルム」の歌詞 秦基博

こないだの雨あめで白しろい靴くつは汚よごれた
携帯けいたいの充電じゅうでんは切きれそうで切きれない
近頃ちかごろ 夜中よなか テレビばかり観みてる
彼女かのじょにはもう ずいぶんと会あっていない

そろそろ髪かみを切きりにいかなきゃな
仕事しごとはうまくこなしてると思おもう
子こどもの頃ころからすぐ迷子まいごになるよ
今いまだって迷まよってばかりいるよ

電車でんしゃは長ながい東京とうきょうの地下ちかをくぐり抜ぬけ 川沿かわぞいの景色けしきが顔かおを見みせる
夕映ゆうばえに燃もえる景色けしきがあらわれるんだ

イヤホンの中なかの音楽おんがくは とうに途切とぎれてしまったのに
それに気付きづかないくらい 僕ぼくの中なかの僕ぼくと話はなした
ほんの少すこしの勇気ゆうきとやさしさが あの日ひあったなら
そんな言いい訳わけを何万回なんまんかいも繰くり返かえす 今日きょうも

遠とおくでともる あれは窓明まどあかり
飛行機雲ひこうきぐもは どこまでも続つづいてく
そう言いえば しばらく実家じっかにも帰かえれてない
元気げんきかどうか 時々ときどき 心配しんぱいになるんだ

それぞれ胸むねの寂さみしさの中なかをくぐり抜ぬけ 僕ぼくもまた小ちいさな改札かいさつを出でる
ふいに再生さいせいボタンを押おしてみるんだ

イヤホンの中なかの音楽おんがくで いつもの街まちが変かわっていく
通かよい慣なれてる道みちも フィルム映画えいがの様ように映うつった
あの日ひよりは勇気ゆうきとやさしさを 持もててるのかな
背中せなかを押おすようにピアノはフレーズを繰くり返かえす 帰かえろう