「無表情」の歌詞 近藤晃央

“悲かなしくはない”から“笑わらう”の?
“嬉うれしくはない”から”泣なく”の?
“どちらでもない表情ひょうじょう”を
「無む」と呼よんだのは誰だれなの?

二択にたくに迫せまられるのなら
「とりあえず」と笑わらってみるよ
時ときが経たてば経たつほどに
泣なきたくなるのは何なんでなの?

“笑わらい続つづける悲かなしさ”と
“泣なき続つづける嬉うれしさ”が
存在そんざいしちゃった難問なんもんを
「無む」という答こたえで解といたの?

笑わらう事こともできない
泣なく事こともできない
何なによりも悲かなしい
そんな事ことはわかってるよ

泣なきそうなほど「悲かなしいけど」
泣なかないよって強つよがるよ
その小ちいさな抵抗力ていこうりょくが
きっと僕ぼくには「嬉うれしいんだ」

両極端りょうきょくたんに目めを奪うばわれ
「心配しんぱいない」と思おもい込こまれ
この不安ふあんや苛立いらだちを
無なかったことにしておくよ

笑わらうとか、泣なくとか、忙いそがしすぎて
何なんだか疲つかれてしまったので
しばらくお休やすみを頂いただきたい。
逃にげるのではなく戦たたかっているのです。

葛藤かっとうも自問自答じもんじとうも足掻あがきも
存在そんざいを証明しょうめいのリハ?
こう見みえてもどう見みられても
僕ぼくは今いまここに「有あ」る

見上みあげたり見下みくださずに
左右さゆうに振ふり回まわされずに
ただそのままの視線しせんを
「前まえ」と呼よんだのは誰だれなの?

“悲かなしくなった”から”泣なく”よ
“嬉うれしくなった”から”笑わらう”よ
どちらでもない表情ひょうじょうさえ
「前まえ」と呼よんでみてもいいの?
「前まえ」と呼よんでいていたいよ