「罪の向こう 銀の幕」の歌詞 鬼束ちひろ

泣なきわめくことさえできないのは
怒鳴どなり散ちらすことさえできないのは
目めを開ひらくことさえできないのは
見失みうしないそうになるのは

ぬぐい続つづけているけど
消きえないでいるのは
背負せおえと言いっているの
何なにかが罪つみにまみれた私あたしに

泣なきわめくことさえできないのは
怒鳴どなり散ちらすことさえできないのは
目めを開ひらくことさえできないのは
見失みうしないそうになるのは

眠ねむり続つづけているけど
離はなれないでいるのは
逃にげろと言いっているの
もう戻もどれないと言いうの

あの日土ひつちに埋うめた言葉ことばたちが
いつか私わたしを追おいつめたとしても
どうせすべて許ゆるされないのなら
逃にげ場ばはいらない

限界げんかいは雨あめを降ふらせて
この口くちを塞ふさぐあらゆる体温たいおん
完璧かんぺきな愛情あいじょうが怖こわかった
そんな自分じぶんが怖こわかった

泣なきわめくことさえできないのは
怒鳴どなり散ちらすことさえできないのは
目めを開ひらくことさえできないのは
見失みうしないそうになるのは

あの日土ひつちに埋うめた言葉ことばたちが
いつか私わたしを追おいつめたとしても
どうせすべて許ゆるされないのなら
逃にげ場ばはいらない