「東方憧憬未見聞録」の歌詞 ALI PROJECT

理想りそうの国くにはどこにある
日ひの出いづる場処ばしょその果はてに
静しずかに遙はるかに夢出ゆめいづる

みんな探さがしている
涙なみだひとつ落おちることない国くに
うるおう大地だいち
そよぐは金きんの稲いね
極楽鳥ごくらくちょうの歌うたを聴きいて
香焚こうたき染そめた絹震きぬふるわせながら
梨花りんかの髪かみに風かぜは舞まって
いち日にちが過すぎゆく
あしたも同おなじ

七ななつの海うみを行いけど
けして追おいつかない
逃にげる蜃気楼しんきろう

すべてが輝かがやける黄金おうごんの
都みやこに棲すむは優やさし人々ひとびと
誰だれもが欲ほしがった幸福こうふくは
ぜんぶその島しまに
生うまれていったから
競きそうように船ふねは行ゆく
われ先さきにと

みんな暮くらしたい
争あらそいなど起おこることない国くに
よりそう太陽たいよう
みのるは金こがねの実み
奔馬ほんばは駆かける山河巡さんがめぐり
童わらじたちは遊あそぶ御伽おとぎのなかに
谷たにの底そこまで桃源郷とうげんきょう
永遠えいえんは過すぎよう
真綿まわたのごとく

東ひがしの空そらの彼方かなた
それはまぼろしの楽園らくえん
ZIPANGU

原野げんやは夢ゆめを見みた 金色こんじきの
栄さかえし港みなと 着つくは帆船はんせん
異国いこくの息吹浴いぶきあび その島しまは
溢あふれる野望やぼうを
受うけ取とってしまった
足早あしばやに時ときは急せき
色褪いろあせる

理想りそうの国くにはどこもない
悲かなしみの涙なみだがないと
よろこびの花はなは開ひらけない

すべてが輝かがやいた黄金おうごんの
眠ねむる都みやこの照てり射さす瓦礫がれき
誰だれもが欲ほしがった幸福こうふくは
ぜんぶその下したに
埋うもれたというから
地図ちずもなく船ふねは出でる
今日きょうもまた