「奴隷市場」の歌詞 -Δουλοι- Sound Horizon

…ほら 荷馬車にばしゃが揺ゆれりゃ
…そら 老婆ばばぁも《吃驚し怖れ慄くびびる》
帰かえりたいのに 言いえない 帰かえりたくとも 家無いえない

…ほら 馬鞭ばむちが撓しなりゃ
…そら 老爺じじぃも《挙動不審になるきょどる》
帰かえりたいのに 言いえない 帰かえりたくとも 家無いえない

回まわる回まわる 車輪しゃりんは廻まわる 運命ミラは彼等かれらを何処どこへ運はこぶ
背中合せなかあわせの温ぬくもりだけが 双ふたりに灯ともる唯一ゆいいつの希望エルピーザ……

重おもい足取あしどりで 念おもいは届とどかず
疲つかれた身体からだで 運命うんめいだからと

何処へ 何処へ 彼等は何処へ向かって行くのかしら?
何故 何故 彼等は何故に行かなければならないのかしら?

平等びょうどうなんて嘘うそなの? 幻想げんそうなの?
命いのちに値段ねだんをつけられる墓ぼ(場ば)所しょ
其それが奴隷市場どれいいちば 奴隷市場どれいいちば 奴隷市場どれいいちば……

離はなれ離ばなれ 繋つないだ手てと手て 遥はるか遥はるか 引ひき裂さかれて

巡めぐる巡めぐる 季節きせつは廻めぐる 運命ミラは双ふたりを何処どこへ運はこび
今いまは見みえざる歴史れきしの涯はてに 舞まい降おりるのは誰だれの光ひかり……