「歓びと哀しみの葡萄酒」の歌詞 Sound Horizon

其それは...歓よろこびに揺ゆらぐ《焔ほのお》...哀かなしみに煌きらめく《宝石ほうせき》...
多おおくの人生じんせい...多おおくの食卓しょくたくに...彼女かのじょの『葡萄酒ワイン』があった――
横暴0501運命おうぼうなうんめいに挑いどみ続つづけた女性じょせい「Loraineロレーン deデ Saintサン - Laurentローラン」
大地だいちと共ともに生いきた彼女かのじょの半生はんせい...其その知しられざる《物語ロマン》

嗚呼ああ...彼女かのじょは今日きょうも畑はたけに立たつ 長ながいようで短みじかい《焔ひかり》
得えたモノも喪うしなったモノも 多おおくが通とおり過すぎた...
嗚呼ああ...季節セゾンが幾度廻いくどめぐっても 変かわらぬ物ものが其処そこに在ある
優やさしい祖父グランパの使用人エンプロイアイユ 愛あいした彼かれとの『葡萄畑クリマット』

嗚呼ああ...追想ついそうはときに ほの甘あまく
熟じゅくした果実かじつを もぎ穫とるよう0501悦びなプレイジー...

嗚呼ああ...葡萄樹ビーニュの繊細0501剪定せんさいなせんていは 低温ていおんで少湿しょうしつが理想りそう
造り手達リニューオンの気きの早はやい春はるは 守護聖人の祭サンザンサンの後あとに始はじまる...
嗚呼ああ...無理0501收量むりなカンティナを望のぞめば 自おのずと品質カリテが低下ていかする
一粒ひとつぶ...一粒ひとつぶに...充分0501愛情じゅうぶんなあいじょうを それが親おやの役割やくわり……

嗚呼ああ...追想ついそうはときに ほろ苦にがく
傷いたんだ果実かじつを もぎ穫とるよう0501痛みなプレイダ...

嗚呼ああ...女おんなは政治せいじの道具どうぐじゃないわ...
愛あいする人ひとと結むすばれてこその人生ラ ビ
されど...それさえ侭成ままならぬのが貴族アンノーブル
そん0501な『世界もの』捨すてよう……

権威主義けんいしゅぎを纏まとった父親ペール...浪費ろうひする為ために嫁とついで来きた継母ペール
名門めいもんと謂いえど...派手はでに傾かたむけば没落ぼつらくするのは早はやく...
斜陽しゃようの影かげを振ふり払はらう...伯爵家レポント...最後さいごの《切り札カルテ》...娘むすめの婚礼こんれい...
嗚呼ああ...虚飾きょしょくの婚礼こんれいとも知しらず――
継母おんなの《宝石ほうせき》が赤ルージュの微笑えみを浮うかべた……

地平線ちへいせん が語かたらざる詩うた...大切0501たいせつなモノを取とり戻もどす為ための...逃走とうそうと闘争とうそうの日々ひび...
その後ごの彼女かのじょの人生じんせいは...形振なりふり構かまわぬものであった……

私わたしはもう誰だれも生涯愛しょうがいあいさ0501ないでしよう 恐おそらく愛あいする資格しかくも0501ない...
それでも誰だれかの渇スワフきを潤うるおせる0501なら この身0501みなど進すすんで捧ささげましょう...

樫シェーヌの樽たるの中なかで 眠ねむってる可愛かわいい私の子供達マンヌファ
ねぇ...どん0501夢なゆめを見みているのかしら?

果実の甘み果皮の渋み 愛あいした人ひとが遺のこした大地の恵みテオア
『歓びジョア』と『哀しみシエノ』が織おり成なす調和ハーモニーその味あじわいが私の『葡萄酒』サラヒ

――そして…これこそが《人生じんせい》