「死と嘆きと風の都」の歌詞 -Ιλιον- Sound Horizon
2008/9/3 リリース- 文字サイズ
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この楽曲へのみんなの気持ち
【高級遊女:ΚασσανδραとΜελλισαと其の見習い】
女蛮族アマゾンのような腕力わんりょくはないけれど
芸げいのない唯ただの売女ボルネとは違ちがうわ
嗚呼ああ...花代ドラクマと真心まごころを引ひき換かえに美うるわしの夢ゆめを売うる...
敬愛する詩人ソフィアのような教養きょうようはないけれど
学がくのない唯ただの街娼デミエとは違ちがうわ
嗚呼ああ...元々哀もともとかなしき奴隷どれいの身みとはいえ
今いまは咲さき誇ほこる薔薇ばら【高級遊女ヘタイラ】
花開はなひらき風薫かぜかおる春はるを鬻ひさぐ以外いがい
身寄みよりなき娘むすめには何なにもないけれど
憐あわれみならば要いらないわ...馬鹿ばかにしないで...
アナタの其それは愛あいじゃない!
壁石いしを運はこぶ者もの 乾かわいた音ねに打うたれ
医師いしを叫さけぶ者もの 地ちに臥ふして虚むなしく
奴隷達の多くは背後に黒き影を纏っていた...
遺志いしを継つげる者もの 奴隷どれいの替かえ数多あまた
縊死いっしを遂とげる者もの 冥府めいふへの逃避行とうひこう
その影は他の者には視えていないようだったが
少年は何時からかその存在に気付いていた...そして――
その影を纏いし者はそう遠くない内に確実に死んでいったのである……
愛あいと慈いつくしみだけに 抱だかれ育そだった少年しょうねんは
怒いかりと憎にくしみだけを 抱だいて今いまを耐たえ忍しのぶ
いっそ死しんだらラクだなんて きっと今いまよりマシだなんて
酔よった譫言繰うわごとくり返かえして 去さった希望きぼうに追おい縋すがった
そんな負まけ犬いぬのように 運命ミラに飼かい馴ならされはしない
たとえ奴隷どれいが犬いぬであれ
剥むくべき牙きばは忘わすれない
オオカミは奔はしる前まえに 満月まんげつに吠ほえる
人ひとは誰だれもが 死しすべき運命さだめを背負せおい
儘まま...抱だいて抱だかれて 寂さみしさを愛あいで埋うめる
されど彼等かれらの多おおくは 死しすべき運命さだめを呪のろい
儘まま...奪うばい奪うばわれ 虚むなしさで胸むねを満みたす
少女しょうじょの頬ほほを伝つたわる 汚けがれなき雫しずくを
赤黒あかぐろき舌先したさきが 掬すくいかけた刹那せつな
繋つないだ手てと手て 駈かけ抜ぬける風の都イーリオン
降ふり注そそぐ星屑ほしくず 夕闇よいやみの風の都イーリオン
嘆なげきと死しの城壁じょうへき 聳そびえ立たつつ風の都イーリオン
振ふり返かえる背後はいごに 遠離とおざかる風の都イーリオン
神域を穢した者を 風神は決して赦さない
その怒りは 雨女神と交わり 娘を生むだろう……
女蛮族アマゾンのような腕力わんりょくはないけれど
芸げいのない唯ただの売女ボルネとは違ちがうわ
嗚呼ああ...花代ドラクマと真心まごころを引ひき換かえに美うるわしの夢ゆめを売うる...
敬愛する詩人ソフィアのような教養きょうようはないけれど
学がくのない唯ただの街娼デミエとは違ちがうわ
嗚呼ああ...元々哀もともとかなしき奴隷どれいの身みとはいえ
今いまは咲さき誇ほこる薔薇ばら【高級遊女ヘタイラ】
花開はなひらき風薫かぜかおる春はるを鬻ひさぐ以外いがい
身寄みよりなき娘むすめには何なにもないけれど
憐あわれみならば要いらないわ...馬鹿ばかにしないで...
アナタの其それは愛あいじゃない!
壁石いしを運はこぶ者もの 乾かわいた音ねに打うたれ
医師いしを叫さけぶ者もの 地ちに臥ふして虚むなしく
奴隷達の多くは背後に黒き影を纏っていた...
遺志いしを継つげる者もの 奴隷どれいの替かえ数多あまた
縊死いっしを遂とげる者もの 冥府めいふへの逃避行とうひこう
その影は他の者には視えていないようだったが
少年は何時からかその存在に気付いていた...そして――
その影を纏いし者はそう遠くない内に確実に死んでいったのである……
愛あいと慈いつくしみだけに 抱だかれ育そだった少年しょうねんは
怒いかりと憎にくしみだけを 抱だいて今いまを耐たえ忍しのぶ
いっそ死しんだらラクだなんて きっと今いまよりマシだなんて
酔よった譫言繰うわごとくり返かえして 去さった希望きぼうに追おい縋すがった
そんな負まけ犬いぬのように 運命ミラに飼かい馴ならされはしない
たとえ奴隷どれいが犬いぬであれ
剥むくべき牙きばは忘わすれない
オオカミは奔はしる前まえに 満月まんげつに吠ほえる
人ひとは誰だれもが 死しすべき運命さだめを背負せおい
儘まま...抱だいて抱だかれて 寂さみしさを愛あいで埋うめる
されど彼等かれらの多おおくは 死しすべき運命さだめを呪のろい
儘まま...奪うばい奪うばわれ 虚むなしさで胸むねを満みたす
少女しょうじょの頬ほほを伝つたわる 汚けがれなき雫しずくを
赤黒あかぐろき舌先したさきが 掬すくいかけた刹那せつな
繋つないだ手てと手て 駈かけ抜ぬける風の都イーリオン
降ふり注そそぐ星屑ほしくず 夕闇よいやみの風の都イーリオン
嘆なげきと死しの城壁じょうへき 聳そびえ立たつつ風の都イーリオン
振ふり返かえる背後はいごに 遠離とおざかる風の都イーリオン
神域を穢した者を 風神は決して赦さない
その怒りは 雨女神と交わり 娘を生むだろう……