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彼かれは死しんだ、ここで殺ころした
わたしの手てで、優やさしい手てで。優やさしい手てで。

まだあたたかい彼かれのからだを、
舟ふねにのせて運はこぼうかな、運はこぼうかな。

彼かれがあたしを傷きずつけたから、
彼かれがあたしを追おいつめたから、
彼かれがあたしを愛あいしてたから、

だからこれは、罪つみじゃない。罪つみじゃない。

朽くちた舟ふねにふたり乗のったら、
花はなはこぼれて、月つきは昇のぼる。月つきは昇のぼる。

心こころの果はてに流ながされながら、
彼かれを抱だいて眠ねむりましょう。眠ねむりましょう。

ふたりでいれば恐こわくないから、
ふたりはにどと離はなれないから、
あなたとならば、何処どこでも逝いくわ。

だからこれは、罪つみじゃない。
だから愛あいは、罪つみじゃない。
罪つみじゃない。
罪つみじゃない。