「泣き虫ジュゴン」の歌詞 吉澤嘉代子

雨あめも届とどかない この海うみの底そこ
珊瑚さんごにからまる 涙なみだの泡あわ

122 回紡かいつむいだ言葉ことばも
声こえにならずにポロポロこぼれた

皆みんなをやっかんで突伏つっぷして泣ないていたよ
ほんとうにずるいのは 誰だれかのせいにした僕ぼくなのに

海水かいすいにのみこまれた日ひ 産声うぶごえをあげたんだよ
ただ冷つめたさにおどろいて
鏡かがみの君きみはいつも僕ぼくに 泣なき虫むしなんて言いうんだよ
すぐ泣なくやつはきらいだって

錆さびた鏡かがみに赤あかい目めが映うつった
泣なき虫むしがきらいな僕ぼく

このままじゃ 何なにもしないうちに終おわりそう
どうしてもゆずれない夢ゆめが まだ ここにあるから

海水かいすいにのみこまれた日ひ 産声うぶごえをあげたんだよ
ただ切せつなさにおどろいて
あたらしい世界せかいに泣ないたのは 哀かなしいからじゃなかった
心こころがふるえていたから

あぁ 僕ぼくの言葉ことばはいつも 胸むねの扉とびらにこだまして落おちた
だけど伝つたえなくちゃ何なにも変かわらないから
ほら いま歌うたうよ

海水かいすいにのみこまれた日ひ 産声うぶごえをあげたんだよ
ただ冷つめたさにおどろいて
夢ゆめに滲にじんだ涙なみだなら 茶化ちゃかされたって構かまわない
僕ぼくの声こえが届とどくなら

海水かいすいにのみこまれた日ひ 産声うぶごえをあげたんだよ
ただ切せつなさに驚おどろいて
泣なき虫むしジュゴン大丈夫だいじょうぶ 海うみのなかでなくんだよ
そうしたら誰だれもわかんない
そうしたら誰だれもわかんない