「慕情」の歌詞 吉田拓郎

あなたはどうして そんなにあざやかに見みえるのだろう
あなたを遠とおくで 見みつめているだけで涙なみだが浮うかぶ

幾度いくども追おいかける程ほど 届とどかぬ夢ゆめ
どこまで この想おもいをつのらせても

あなたがそばにいることは願ねがわず
あなたがそこにいる ただそれでいい

あなたはどうして そんなに穏おだやかに生いきれるのだろう
あなたの空気くうきを 思おもってみるだけで胸むねが張はり裂さけそう

憎にくしみ合あうことより 許ゆるし合あいたい
切せつなさ虚むなしささえ 抱だいて生いきる

あなたが居いなくなることはあり得えない
あなたを見失みうしなえば 世界せかいの終おわり

あなたはどうして そんなに美うつくしく微笑ほほえむのだろう
あなたとかすかに すれ違ちがって行いく時ときにふるえてしまう

私わたしは今いままるで 魔法まほうの中なかで
恋こいする少年しょうねんのような 心こころになる

届とどかぬ愛あいだけれど今いまのままがいい
遠とおくを見みつめている あなたが好すき
遠とおくを見みつめている あなたが好すき