「恋と病熱」の歌詞 米津玄師

好すきなことが 少すくなくなり
嫌きらいなことが 沢山増たくさんふえた
窓まどに滲にじむ雲くもを見みていた
皆みんなの背中せなかを見みていた

言いいたいことが だんだん増ふえて
言いえないことが 沢山増たくさんふえた
空そらが濁にごる頃ころに見みていた
夜よるになろうとするばかり

「何処どこにも行いけない私あたしをどうする?」

眩暈めまいに溺おぼれて夢ゆめを見みていた
白昼夢はくちゅうむに全すべてを押おし込こんで
愛あいしていたいこと 愛あいされたいこと
空からっぽになるまで 詰つめ込こんで

覚おぼえたことが 沢山増たくさんふえて
忘わすれたことも 沢山増たくさんふえた
バスに揺ゆられながら見みていた
君きみはカメラで何なにを撮とる

「秘密ひみつにしてね、約束やくそくしよう」
それすらいつか一人ひとりになって

ボタン一ひとつふいに千切ちぎれた
夜よるになろうとするばかり

「似にている二人ふたりをあなたはどうする?」

些細ささいな嘘うそから炎症えんしょうが起おきた
ずっと微熱びねつみたいに纏まとわりついて
愛あいしていたいこと 愛あいされたいこと
棄すてられないまま 赦ゆるしを請こう

誰だれも嫌きらいたくないから ひたすら嫌きらいでいただけだ
皆みんなのこと 自分じぶんのこと 君きみのこと 自分じぶんのこと

君きみがいないと 色いろんなことが
色いろんな風ふうに嫌きらいになって

病熱びょうねつを孕はらませ夢ゆめを見みていた
盲めしいた目めにみえた落おちていく陽ひ
愛あいしていたいこと 愛あいされたいこと
望のぞんで生いきることを 許ゆるしてほしい